GLOSSARY 皮膚病理組織学用語
か
【かい】
海綿状態spongiosis:リンパ球の表皮内浸潤によって細胞間浮腫が生じた状態。角化細胞の胞体は引き伸ばされ棘状となる。しかし、デスモソームは障害されない。例:接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎。関連語:海綿状水疱。
【かい】
海綿状水疱spongiotic bulla、spongiotic vesicle:海綿状水疱は代表的な表皮内水疱。リンパ球の表皮内浸潤が高度となると、表皮の細胞間橋(デスモソーム)は保たれているが、細胞内浮腫(空胞変性)、細胞間浮腫が高度となり海綿状態、海綿状水疱をつくる。例:接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎。
【かい】
海綿状膿疱spongiform pustule → コゴイ(Kogoj)海綿状膿疱
【かい】
潰瘍ulcer、ulcus:表皮、粘膜の欠損をいう。原因は様々である。
【がい】
外方増殖upward extension、exophytic:皮表に突出する腫瘍、別の表現をすれば、真皮内への浸潤がないという意味をもつため良性腫瘍であることが多い。基底面は表皮突起の先端が水平で一直線であれば良性のことが多い。しかし、一方では有茎性、広基性に皮表に突出する悪性腫瘍がある(例:悪性黒色腫)。混同しないように、どのように外方増殖を示すかを具体的に記載する必要がある。例:脂漏性角化症。類義語:ドーム状増殖。対比語:内方増殖。
【がい】
外毛根鞘(がいもうこんしょう)角化trichilemmal keratinization:毛包峡部isthmusに定型像をみる角化。明るく大型の角化細胞が顆粒細胞層を経ないで角化する。角化物は無構造好酸性物質で密に詰まる。類似の角化は口腔粘膜、掌蹠に生じた腫瘍でも観察することがある。毛包への分化を確認できない場合には顆粒細胞層を経ない角化と記述的に表現する。例:外毛根鞘嚢腫。
【かか】
過角化hyperkeratosis:異常角化の一つ。生理的な範囲を超えた角質肥厚がある。角質細胞の核の消失する正角化と核が遺残する不全角化(錯角化)とを区別する。アトピー性皮膚炎など種々の炎症性疾患では普通に観察される。先天性角化症では発症病理を反映して種々の病態がある。例:正角化を示す角質細胞が厚く固着する場合は伴性遺伝性魚鱗癬を、厚い角質細胞層に反して顆粒細胞層が減少ないしは消失するときには尋常性魚鱗癬を考える。腫瘍においては所見が一定しない。同義語:角質増殖。角質増生。角質肥厚。類義語:異常角化。
【かか】
花環状(かかんじょう)wreath of nuclei:多核巨細胞の核の配列を表現する用語。組織球の浸潤の中にあって真皮の浅いところで出現する。多核巨細胞の核の配列が額紫陽花の花に似る状態をいう。核でできた花環の外側の胞体が泡沫状であればツートン型巨細胞という。例:若年性黄色肉芽腫。類義語:ツートン型巨細胞
【かく】
核異型nuclear atypia:悪性腫瘍の細胞核には核異型があるという。核の形状が不整となること、大小不同が現れること、細胞質に対して核が異常に大きいこと、核の染色性に濃淡の差があること、核の中でクロマチンの異常凝集、微細な点状濃縮があること。核小体は大型で目立つことをいう。しかし、良性腫瘍とされるスピッツ母斑でも大型の核が出現し核異型がある。一方、悪性リンパ腫では核の形態が単調なこともある。異型性という言葉と同様に定義のむずかしい用語の一つである。類義語:多形性。異型性。
【かく】
核凝集pyknosis:細胞の死にともなって生じる核の凝集。核質が濃縮し好塩基性の小塊、紐状物質になる。
【かく】
角質真珠(かくしつしんじゅ)horn pearl → 癌真珠
【かく】
角質増殖hyperkeratosis → 過角化
【かく】
角質嚢腫(かくしつのうしゅ)horn cyst:層板状、同心円状の角質を入れた嚢腫。例:脂漏性角化症。対比語:偽角質嚢腫、癌真珠
【かく】
角質肥厚hyperkeratosis → 過角化
【かく】
核塵(かくじん)nuclear dust:多核白血球の核の破砕によって生じた破片。壊死性血管炎の診断根拠として重要。類義語:核破砕、核片。
【かく】
角栓(かくせん)keratotic plug、follicular plugging:(1)拡大した毛孔に一致した楔状の角質塊。類似構造であれば毛孔に一致しないものでも角栓とよぶ。(2)ケラトアカントーマの腫瘍中心を埋める角質塊も角栓と表現することがある。例:エリテマトーデス、毛孔性紅色粃糠疹、魚鱗癬。同義語:毛孔性角栓。類義語:コーノイド・ラメラ。
【かく】
角層下水疱subcorneal bulla:角層内ないしは角層と顆粒細胞層の間の水疱。角層が標本作成中に剥離しやすく見過ごしやすい。例:汗疹、落葉状天疱瘡。
【かく】
角層下膿疱subcorneal pustule:角層下の多核白血球を入れた膿疱には細菌性膿疱、真菌性膿疱、無菌性膿疱がある。ムンロー微小膿瘍は角層内の多核白血球の小集塊、コゴイ海綿状膿疱は顆粒層から角層内におよぶ大型の膿疱。例:膿痂疹、角層下膿疱症。
【かく】
核内封入体nuclear inclusion body、intranuclear inclusion body:ヘマトキシリン好性の結晶状、均質物質で、ウイルスそのものが結晶状に配列して藤色に染色される場合と宿主の細胞小器官由来の、たとえば張原線維やケラトヒアリン顆粒そのものが核内に封印される場合とがある。例:疣贅、ヘルペス感染症。関連語:封入体。ウイルス性封入体。
【かく】
核破砕(かくはさい) → 核塵
【かく】
核帽(かくぼう)supranuclear cap:表皮基底細胞の核の表層側に沿ってメラニン顆粒が分布する様。核帽を形成していると使う。同義語:核上帽。
【かけ】
渦形成squamous eddy → うず形成
【かせ】
仮性菌糸pseudo hyphae → 菌要素
【かっ】
角化keratinization:表皮を構成する角化細胞は最終的に角質細胞cornified cell、 horny cellとなり最表面層である角層stratum corneumを形成する。好酸性物質であるが、ケラチン線維で構成されているため、壊死に陥った細胞とは異なり大きさは一定で統一性がある。角質細胞の核は消失し正角化を示すという。なお毛包、脂腺導管部、汗腺導管部などにも角化する部分がある。そのため角化を特徴とする癌は有棘細胞癌であるが、毛包癌、脂腺癌、汗腺癌などの皮膚附属器癌の腫瘍細胞にも角化する部分が混在する。関連語:不全角化。対比語:壊死。
【かっ】
角化細胞keratinocyte:皮膚、粘膜の扁平重層上皮を構成する細胞。張原線維(ケラチン)を特徴としてもつ。エクリン汗腺、毛包、脂腺、アポクリン汗腺を構成する細胞にも胞体には張原線維がある。
【かっ】
カップ状の陥入cup-shaped pattern:表皮が弯曲して真皮内に陥入する像。カップ状であるから左右対称性であり良性腫瘍を示唆する。例:warty dyskeratoma、ケラトアカントーマ。
【かひ】
痂皮crust:発疹名。病理組織像では角層での水疱、膿疱、不全角化に加え角質細胞間への炎症性細胞浸潤がある。病理組織用語としては使わない。
【かべ】
花弁状(かべんじょう):電顕像・膠原線維の異常の一つ。:膠原線維には、径の異常、断面が鋸歯状ないしは花弁状となる異常がある。例:エーラス・ダンロス症候群、結節性硬化症。
【かべ】
花弁状巨細胞floret-like giant cell:多形性脂肪腫に出現する。核が細胞質辺縁に配列して花弁状にみえる多核巨細胞。
【かみ】
カミノ小体Kamino body:表皮・真皮境界部に観察される好酸球性無構造塊状物で、スピッツ母斑と悪性黒色腫との鑑別に役立つとする説がある。腫瘍細胞の個細胞壊死に陥ったもの、あるいは表皮角化細胞の壊死などを観察していると考えられる。経表皮的に排泄されつつある壊死した腫瘍細胞の個別排泄像はカミノ小体とは区別する。
【かり】
顆粒細胞granular cell:(1)多角形をした大きな細胞が増殖する腫瘍に顆粒細胞腫瘍がある。核は小型で濃染する。特徴は細胞質内に好酸性顆粒を含むことである。PAS染色で陽性、アミラーゼ(ジアスターゼ)抵抗性である。(2)表皮顆粒細胞層にあるケラトヒアリン顆粒を含む細胞。
【かり】
顆粒層消失hypogranulosis、agranulosis:不全角化のある場合には顆粒細胞層の減少、菲薄化ないしは消失がある。例:尋常性乾癬、尋常性魚鱗癬。同義語:寡顆粒細胞症。
【かり】
顆粒層肥厚hypergranulosis:通常数層以内である顆粒細胞層が著しく増加する様。例:扁平苔癬、疣贅。
【かり】
顆粒体grain:個細胞角化の一つ。棘融解に陥った細胞が個別に角化した結果、好酸性の長楕円形顆粒は周囲の角質細胞とは際立って区別される。マルピギー層で円形体とよばれたもの。例:ダリエー病。
【かり】
顆粒変性granular degeneration:ケラトヒアリン顆粒が粗大になり、細胞質の浮腫が強く空胞化するように見える。しかし、大きな塊状物はケラチン蛋白異常にもとづく張原線維の異常凝集にケラトヒアリンの融合したもので、顆粒変性とはいうがケラトヒアリン顆粒そのものの異常ではない。例:水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症。同義語:表皮融解性過角化。関連語:粗大ケラトヒアリン顆粒。
【かる】
カルシウム沈着calcinosis → 石灰沈着
【かん】
管腔(かんくう)lumen、tubular structure:内部が管になった構造。管腔は細胞胞体内、あるいは細胞間に形成される。一般に胞体には線維が発達しperiluminal filamentous zoneを形成する。腔面には微絨毛が発達する。二次ライソソームの一種である多胞小体が出現する。細胞間にはタイト・ジャンクションがある。胎生期での表皮内汗管の形成過程で観察する構造に酷似する。エクリン汗腺の場合、分泌腺では腺腔、導管部では導管とよばれる。しかし、腫瘍では未分化なため管腔とのみ記載することが多い。例:エクリン汗腺腫瘍、アポクリン汗腺腫瘍。関連語:細胞内管腔。
【かん】
汗孔角化症porokeratosis: → 錯角化性円柱
【がん】
癌真珠(がんしんじゅ)cancer pearl:有棘細胞癌では、大型の有棘細胞様細胞が渦巻き状に角質塊をとりまく。正常角化に近い角化像を観察することもあるが、核が残存したり、顆粒細胞を経ることなく角化するなど変異が大きい。同義語:角質真珠。対比語:角質嚢腫
【がん】
癌前駆症(がんぜんくしょう)precancerosis、potentially premalignant lesion:概念。癌前駆症は表皮内癌とは異なる概念である。熱傷後瘢痕、砒素角化症、慢性放射線皮膚炎などに生じる角化性病変からは高率に有棘細胞癌が発生する。病理像で癌細胞の胞巣を指摘できる場合、例えば日光角化症は表皮内癌である。一方、過角化を伴う肥厚性病変で癌病変と断定できない場合は癌前駆症として扱う。これらは癌になる可能性の高い病変として認識しておく必要があり、また適切な治療が求められている。一方、類器官母斑のように二次的腫瘍を続発する可能性のある病態も含む。このように癌前駆症は病理組織診断というよりも臨床的な概念である。なお表皮内癌についても浸潤していないという意味で癌前駆症とする立場もあるが、混乱を避ける意味では表皮内癌と直接表現することが望ましい。同義語:前癌状態。関連語:表皮内癌
。【かん】
感染性肉芽腫infective granuloma:概念。結核菌、真菌などの感染症で生じる肉芽腫。対比語:非感染性肉芽腫。
【かん】
乾癬様変化psoriasiform hyperplasia → 規則的な表皮突起の延長
【がん】
癌皮膚転移 → 転移
【かん】
間葉系腫瘍 → 線維性腫瘍
【かん】
乾酪壊死(かんらくえし)caseation necrosis:一般に結核結節の中心に存在する凝固壊死をいう。しかし、非結核性の顔面播種状粟粒性狼瘡で定型像をみる。同義語:乾酪変性。関連語:類壊死。
き
【ぎか】
偽角質嚢腫pseudo-horn cyst:表皮角質層が強く陥入し、入り組んだ形をとることがある。切片の切れ方で、同心円状の角質を入れた嚢腫状構造にみえる。しかし、皮膚表面に開口するため真の嚢腫とは区別する。例:脂漏性角化症。対比語:角質嚢腫、癌真珠。
【ぎが】
偽癌性増殖pseudo-carcinomatous hyperplasia :概念。表皮突起が真皮網状層まで伸び、浸潤像を思わせる。しばしば微小膿瘍が観察される。真の腫瘍性病変ではない。有棘細胞様細胞の増殖する場合と基底細胞様細胞の増殖する場合とがある。異物の経毛包排除のときも偽癌性増殖に似た像が観察される。例:潰瘍辺縁、臭素疹、クロモミコーシスなどの深在性真菌症。同義語:偽上皮性増殖、偽上皮性過形成。
【きか】
器官organ:概念。腫瘍で器官形成という場合は、腫瘍の母地となった器官の形態、構造が保たれている、あるいは、発生母地を推測ないしは特定できる場合を指す。
【きし】
基質ground substance:真皮の基質という場合は細胞成分、膠原線維、弾性線維を除いた無構造な物質。
【ぎじ】
偽上皮腫性過形成pseudo-epitheliomatous hyperplasia → 偽癌性増殖
【ぎじ】
偽上皮腫性増殖pseudo-epitheliomatous hyperplasia → 偽癌性増殖
【ぎせ】
偽性角質嚢腫pseudo-horn cyst → 偽角質嚢腫
【ぎせ】
偽性嚢腫pseudo-cyst:嚢腫に似た嚢胞を形成しているが、嚢胞壁を構成する細胞が上皮細胞ではなく、圧排された結合織であったり、類上皮細胞、異物型巨細胞であったりする。似た用語である偽角質嚢腫は嚢胞ではなく、上皮の陥入によりできた嚢胞に見間違うような構造。例:粘液嚢腫。対比語:嚢腫。
【ぎせ】
偽腺性構造pseudo-glandular structure:腫瘍細胞の間にできた隙間。腺様構造ではあるが腺腔、管腔ではない。例:日光角化症、有棘細胞癌では細胞間橋の発達不良による棘融解で空隙を生じる。腺様嚢胞癌の篩状の構造の多くは偽腺性構造で空隙には間質成分を入れるが、胞巣の一部には真の管腔も形成されているので注意したい。
【きそ】
規則的な表皮突起の延長regular elongation of rete ridges:表皮突起の棍棒状の延長で、突起の下縁が揃っていることから規則的という。尋常性乾癬に定型像をみるため乾癬様変化、乾癬型組織反応ともいう。例:尋常性乾癬、菌状息肉症、梅毒第二期疹。対比語:不規則な表皮突起の延長。偽癌性増殖。
【きて】
基底板basal lamina:電顕像。表皮の基底細胞と真皮との間にある膜状物質を指す。類似構造は色素細胞の真皮面にも形成される。また血管内皮細胞、平滑筋細胞、シュワン細胞などを縁取るようにも存在する。とくに血管周囲の基底板はポルフィリン症、糖尿病患者では多層化する。線維芽細胞、筋線維芽細胞では基底板様構造を断片的に観察することができる。基底板には銀粒子などの異物が沈着し、暗視野顕微鏡で顆粒状物質が線状に配列する像を観察することができる。
【きて】
基底細胞上皮腫basal cell epithelioma:最近は基底細胞癌basal cell carcinomaとの表記を使用する傾向にある。臨床的な立場からは、真の癌腫と考えるのであればリンパ節転移、全身転移の危険性のある腫瘍に対処するべき治療を基底細胞癌にも考慮するべきである。しかし、実際の治療では深部への浸潤に注意して十分な切除が行われるならば治癒の可能な腫瘍という考えのもとに治療する。その意味では癌という表現を基底細胞上皮腫に適用することには抵抗がある。病理組織像からもケラチノサイトの癌性増殖である有棘細胞癌とは異なり、原始的上皮芽の性質を留めている(M. Kumakiri & K. Hashimoto:J. Cutane. Pathol、1978; 5: 3 )。柵状配列を示す基底面の角化細胞は基底板、ヘミデスモソームをつくる点から有棘細胞癌とは区別される。またケラチノサイト、メラノサイト、線維芽細胞が一塊として増殖する。毛包、脂腺、汗腺という機能単位を想起させる形態をつくらないという意味で、器官を形成する能力は失っているが、構成細胞は母斑や過誤腫と同様に多様な細胞が関与している。日本人の基底細胞上皮腫はメラノサイトの関与が明瞭であり臨床的に黒色になる。メラノサイト自体にも多様性がある(L.-Min Lao, M. Kumakiri et al:J. Cutane. Pathol、2001; 28:34.)。過去、基底細胞上皮腫、基底細胞腫basaliomaの用語が好まれて使われた理由は扁平上皮の癌である有棘細胞癌とは臨床的に異なる腫瘍との認識があったからであり、癌としての断定には抵抗があったからである。インフォームド・コンセントが重要視される今日、もう一度この用語を見直してもよいと思われる。
【きて】
基底膜basement membrane:表皮・真皮境界部にある。HE染色標本では判然としないが、PAS反応で基底膜にある中性多糖類が赤紫色に染色され陽性となる。アミラーゼ(ジアスターゼ)抵抗性。主成分は、型コラーゲンで、電子顕微鏡での観察から50~100nmの厚さをもつ電子密度の高い基底板を中心とする。例:エリテマトーデスでの基底膜の肥厚。
【きて】
基底膜を破る:概念。腫瘍細胞が基底膜を破って浸潤するという表現がある。電顕で観察すると癌細胞の間質側の基底膜の形成が不定であり、場所によっては基底膜が存在し、場所によっては基底膜を欠く。そのため基底膜を検出するPAS染色あるいは免疫組織染色ではあたかも基底膜を破るような所見にみえる。
【きて】
基底細胞様細胞basaloid cell:概念。表皮の基底細胞に似た細胞。具体的には好塩基性で楕円形かつ小型の核がしばしば柵状配列をする様。核に比し胞体は小さく、トノフィラメントは少ない。未分化細胞ないしは脱分化した細胞を念頭においている。例:脂漏性角化症、エクリン汗孔腫、毛包上皮腫、エクリンらせん腺腫、脂腺上皮腫、基底細胞上皮腫。類義語:基底細胞様。
【きゅ】
球状変性ballooning degeneration:ウイルスに罹った角化細胞の胞体内浮腫が高度で球状にみえる様。細胞膜、細胞間橋は破壊され棘融解をきたす。例:水痘/帯状疱疹、単純疱疹。
【きょ】
境界部活性junctional activity:表皮・真皮境界部にある色素性母斑の胞巣が乱れ、真皮に落ちているようにみえる場合に境界部活性があるという。色素性母斑、悪性黒色腫ともに観察される。その鑑別には電顕が有用で、母斑細胞の胞巣を包む扁平化した角化細胞の胞体が薄い膜状物となって連続していることを確認すれば浸潤ではないと判断する。
【きょ】
棘細胞増殖(きょくさいぼうぞうしょく)acanthosis → 表皮肥厚
【きょ】
極性polarity:細胞の配列異常。極性の乱れあるいは喪失があると表現する。正常組織では表皮基底細胞の核の長軸は揃って柵状に配列することが多い。この細胞核の極性の喪失は腫瘍性病変を示唆する。例:日光角化症。
【きょ】
棘融解(きょくゆうかい)acantholysis:表皮内水疱の原因の一つ。表皮細胞間橋が解離し、表皮細胞が個々ばらばらになる状態。デスモソームが緩み細胞の結びつきが無くなる。個々の細胞は棘融解細胞という。棘融解が高度、広範囲に起こると棘融解性水疱を形成する。尋常性天疱瘡では基底細胞直上で棘融解性水疱を生じ墓石状配列をとるという。家族性慢性良性天疱瘡(ヘイリー・ヘイリー病)では棘融解によりマルピギー層の細胞の結びつきが緩むため崩れかけたレンガの壁dilapidated brick wallと表現される。関連語:ラクナ、偽腺性構造、円形体、球状変性。対比語:海綿状態。
【きょ】
棘融解細胞acantholytic cell → 棘融解
【きょ】
棘融解性水疱acantholytic bulla → 棘融解
【きょ】
巨細胞giant cell → 多核巨細胞
【きょ】
鋸歯状(きょしじょう)saw-tooth appearance:表皮基底細胞が変性し、消失すると有棘細胞が基底面に露出し、表皮突起は鋸歯状になる。苔癬様反応を示す所見の一つ。例:扁平苔癬。
【きょ】
巨大メラノソームgiant melanosome:レックリングハウゼン病におけるカフェ・オ・レ斑では基底細胞層にあるメラノサイトの胞体内に大型のメラノソームが観察されることがある。特異的な所見ではないが参考になる。
【ぎり】
偽リンパ腫pseudo-lymphoma:概念。密な小円形細胞浸潤が真皮網状層にあり、悪性リンパ腫との鑑別に困難を感じる病態。種々の原因、発症機序が背景にある。可能な限り原因を特定する努力を費やし、それでも原因不明の場合に偽リンパ腫という。対比語:悪性リンパ腫。
【きん】
菌糸hypha: → 菌要素
【きん】
筋線維muscle fiber:マッソン・トリクローム染色で筋線維は赤染し、膠原線維は青染する。エラスチカ・ヴァン・ギーソン染色では弾性線維は黒褐色、膠原線維は赤染し、筋線維は黄色である。同義語:筋フィラメント、筋細線維、デスミン。
【きん】
筋線維芽細胞myofibroblast:線維芽細胞と平滑筋細胞との中間的な性質をもつ細胞。細線維の集まった暗調小体dense bodyが特徴。創傷治癒に関係している。悪性腫瘍の間質でも出現する。例:肥厚性瘢痕。
【きん】
筋上皮細胞myoepithelial cell:汗腺の終末部を取り囲む平滑筋様の細胞。収縮蛋白をもつ上皮細胞。アクチン染色で陽性。
【きん】
筋フィラメント myofilament:電顕像。筋上皮細胞、筋線維芽細胞、平滑筋細胞にある中間型フィラメント。暗調小体dense bodyは細線維の集まった像。筋フィラメントにZ帯があれば横紋筋細胞を考える。光顕レベルでは筋フィラメントの束が筋線維として見え、生化学的にはデスミンであり、免疫組織学的には抗デスミン染色で検出できる。同義語:筋細線維。
【きん】
筋膜fascia:皮下脂肪織と筋との間の皮下組織にある浅筋膜および筋を包む線維性結合組織である深筋膜とがある。浅筋膜を病変の主座とする場合、皮下脂肪織、真皮網状層にも炎症が波及する。例:結節性筋膜炎、好酸球性筋膜炎、壊死性筋膜炎。
【きん】
菌要素:病理診断で菌要素を確認するという場合は真菌を指すことが多い。HE染色標本でも注意深く観察すると、球状ないしは杆状物を確認できる。浅在性真菌症では角層内に胞子spore、仮性菌糸pseudo hyphae、あるいは菌糸hyphaがある。毛包では外毛根鞘の角質あるいは毛幹内に存在する。真皮内に菌要素があれば深在性真菌症を考える。菌要素は形態から胞子、星芒小体、石垣様細胞、発芽した菌糸、菌糸様菌要素などと表現する。菌要素がPAS染色で赤紫色、グロコット染色で黒色に染色されることを確認する。例:癜風、カンジダ症、白癬。
く
【くう】
空隙(くうげき) → フェネストレーション
【くう】
空胞変性vacuolar changes:(1)疣贅にみる表皮顆粒細胞の核が鳥の目様birds-eye-structureに空胞化すること。(2)エリテマトーデス、多形滲出性紅斑での基底細胞層の液状変性liquefaction degenerationは基底細胞内、基底膜直下での小滴状空胞が出現し、空胞変性hydropic degeneration of basal cellsともいう。(3)海綿状態では細胞間浮腫に加え細胞内浮腫に基づく空胞変性intracellular edemaが高度になると海綿状水疱をつくる。
【くず】
崩れかけたレンガの壁dilapidated brick wall → 棘融解
【くち】
クチクラcuticle:汗腺の導管は内腔面を好酸性に染まるクチクラで縁取りされている。
【くら】
クラークのレベル分類Clark’s levels:クラークは悪性黒色腫の臨床病型を分類し、さらに病変の深達度を表現するレベル分類を考案した。表皮内癌の状態をレベル I として浸潤度に合せて五段階に分ける。病理組織像を想起するのに役立つ。しかし、予後判定には不十分との批判があり、ブレスローの厚みの計測を併用する。
【ぐら】
グラム染色Gram stain:細菌を検出するための染色法の一つ。クリスタル紫を用いる。グラム陽性菌は青紫色、グラム陰性菌は赤色に染色される。
【ぐり】
グリコーゲンglycogen:グリコーゲンはPAS染色陽性で赤紫色であるが、アミラーゼ(ジアスターゼ)消化試験で消える。
【ぐる】
グルタールアルデヒドglutaraldehyde:電子顕微鏡で観察するための固定液である。通常、グルタール・アルデヒド、四酸化オスミウムの二重固定を行う。
【ぐれ】
グレンツ・ゾーンgrenz zone、clear zone :表皮と真皮内の病変との間に一定の幅の正常真皮成分が介在する状態を指す。例:ハンセン病、皮膚線維腫、B細胞リンパ腫。
【ぐろ】
グロコット染色Grocott stain → 菌要素
【ぐろ】
グロムス細胞glomus cell:グロムス器官を構成する血管内皮細胞の周囲にある平滑筋細胞。通常の平滑筋に比べ核が卵円形で胞体は好酸性を示す。基底膜は厚い。
け
【けい】
形質細胞plasma cell:炎症性細胞の一つ。Bリンパ球の分化したもので免疫グロブリンを産生する。例:梅毒、形質細胞性口唇炎。
【けい】
経表皮排除transepidermal elimination:真皮から表皮を経由して角層を貫くように石灰、アミロイドなどの沈着物、弾性線維、膠原線維、あるいは腫瘍細胞巣が排除されることがある。black heelでは角層内の汗管に一致して赤血球の集塊が観察される。色素性母斑、悪性黒色腫での大量のメラニン色素の排泄像にも適用する。被角血管腫では血栓を伴う血管の排泄像がある。同義語:経表皮排泄。類義語:経上皮性異物排除、腫瘍細胞の排泄像casting off、経毛包排除。関連語:表皮向性癌。
【けい】
経毛包排除transfollicular elimination:毛包上皮に包まれて異物が排除される像。例:弾性線維性仮性黄色腫。関連語:偽癌性増殖。
【けい】
係留細線維(けいりゅうさいせんい)anchoring filaments:電顕像。基底細胞と基底板との間にある細線維。同義語:アンカリング・フイラメント。対比語:係留線維(アンカリング・フイブリル)。
【けい】
係留線維(けいりゅうせんい)anchoring fibril:電顕像。基底膜の真皮側にある150~200nm程の線維で、VII型コラーゲンからなる。栄養障害型表皮水疱症では係留線維の減少ないしは欠損がある。同義語:アンカリング・フイブリル。対比語:係留細線維(アンカリング・フイラメント)。
【けっ】
結核結節tubercle:類上皮細胞肉芽腫の中心に乾酪壊死があり、辺縁をリンパ球が密に取り囲む。ラングハンス巨細胞が類上皮細胞に混じて存在する。例:結核、顔面播種状粟粒性狼瘡、非定型抗酸菌症、深在性真菌症。
【けっ】
血管blood vessels → 脈管
【けっ】
血管炎vasculitis:血管そのものが病態の主体。血管壁への炎症性細胞浸潤、赤血球漏出、フィブリンの沈着などがある。好中球破砕を伴いフィブリンノイド壊死のある壊死性血管炎leukocytoclastic vasculitis、リンパ球性血管炎lymphocytic vasculitis、肉芽腫性血管炎granulomatous vasculitisを区別する。
【けっ】
血管拡張telangiectasia:ポートワイン母斑のように先天性の血管拡張と、口囲皮膚炎のようにステロイド外用剤の長期使用などで真皮の浮腫性変化を伴う血管径の拡大による場合とがある。
【けっ】
血管腫hemangioma:血管の新生、血管腔の径の拡大がある。母斑、血管肉腫、反応性の血管増殖かの区別の困難なことがある。
【けっ】
血管周囲性細胞浸潤perivascular cell infiltration:炎症性細胞浸潤の一形態。血管周囲に密にリンパ球が浸潤する様。とくに境界が明瞭な場合はコートスリーブ様coat-sleeve like cell infiltrationという。例:遠心性環状紅斑、寄生虫症、扁平コンジローマ。
【けっ】
血管叢(けっかんそう)vascular plexus:乳頭下血管叢と皮下血管叢とがある。
【けっ】
血管内血管腫intravascular hemangioendothelioma:血栓が基質化し2次的に小血管が増生した状態。Massonがvegetant intravascular hemangioendotheliomaと報告した。全体像あるいは血栓がはっきりしない場合は血管肉腫との鑑別に困難を感じる。
【けっ】
血管内皮細胞の腫大plump endothelial cell:血管内皮細胞の腫大した胞体が血管腔に向かって凸状に迫り出す特徴をいう。例:好酸球性血管リンパ球増殖症。
【けっ】
結晶様構造crystalline structure:電顕像。封入体の一つ。結晶様構造が細胞核、胞体内に観察され様々な病態を反映している。例:血管芽細胞腫(中川)では内皮細胞内に結晶様構造が観察される。同義語:晶質封入体crystalloid inclusion。
【けっ】
結節nodule:病理組織像での結節は充実性の病変を指すことが多い。真皮内に1つないしは2個程度の大きな結節をつくる腫瘍には皮膚混合腫瘍、エクリンらせん腺腫、血管平滑筋腫、グロムス腫瘍、神経鞘腫、毛母腫がある。
【けっ】
結節性血管炎nodular vasculitis → バザン硬結性紅斑
【けっ】
血栓(けっせん)thrombus:血管腔の中で赤血球が凝集し融解し塞栓する。血栓は器質化する。例:虫刺症、深在性真菌症、クリオグロブリン血症性紫斑、悪性リンパ腫、潰瘍、敗血症、リベド、被角血管腫、血管内血管腫。
【けら】
ケラチンkeratin → 張原線維
【けら】
ケラチノサイトkeratinocyte → 角化細胞
【けら】
ケラトヒアリンkeratohyaline:表皮顆粒層にある好塩基性顆粒状物質。顆粒層肥厚、顆粒層消失、顆粒変性で使用する顆粒はケラトヒアリン顆粒を意味する。同義語:ケラトヒアリン顆粒keratohyalin granule。対比語:トリコヒアリン顆粒。
【げん】
原始的上皮芽primary epithelial germ:胎生期に表皮から生じる原始的上皮芽からは毛包、脂腺、アポクリン汗腺が発生する。同義語:一次毛芽、毛原基、上皮胚原基。対比語:エクリン汗腺芽。
こ
【こー】
コーノイド・ラメラcornoid lamella: → 錯角化性円柱
【ごー】
ゴースト様脂肪細胞ghostlike fat cells:膵臓炎に伴って生じる脂肪織炎の特徴。壊死に陥った脂肪細胞の核は消失し細胞壁は厚い。石灰沈着を伴う。
【こう】
硬化sclerosis:膠原線維の増加による線維束の肥大あるいは膨化。膠原線維は好酸性で均質であるが、染色性に濃淡を生じる。線維芽細胞の増加はない。一方、線維化という場合は膠原線維の増加に加え、線維芽細胞の増加を伴う。例:結節性硬化症、強皮症。関連語:線維化、線維症。
【こう】
硬化細胞sclerotic cell:黒色分芽菌症では類上皮細胞、巨細胞の中、あるいは膿瘍内に褐色の真菌胞子が出現する。類義語:石垣様細胞。
【こう】
光学顕微鏡light microscope:数倍から千倍までの倍率で組織や器官の形態を中心に微細構造を観察することができる。
【こう】
口腔粘膜oral mucous membrane:上皮epitheliumと粘膜固有層lamina propria mucosaの2層で構成される。口腔粘膜上皮は重層扁平上皮であるが角化しない。
【こう】
膠原線維collagen fiber:真皮の結合組織の主成分で、エオシンに染色される線維。多くはI型コラーゲンからなる。細網線維とよばれた線維はIII型コラーゲン。基底膜にはIV型コラーゲンが分布する。エラスチカ・ヴァン・ギーソン染色では弾性線維は黒褐色、膠原線維は赤染し、筋線維は黄色となる。アザン・マロリー染色、マッソン・トリクローム染色で膠原線維は青染する。同義語:コラーゲン線維。
【こう】
好酸球浸潤eosinophilic infiltration:虫刺症、ウェルズWells症候群、好酸球増多症候群、薬疹などを考慮する。好酸球の変性があり、多数の好酸球顆粒が間質の膠原線維、弾性線維に付着して炎のようにみえるとフレーム・フィギアという。
【こう】
好酸球性海綿状態eosinophilic spongiosis:好酸球の浸潤で海綿状態を生じている状態。例:天疱瘡、虫刺症。
【こう】
好酸球性膿疱eosinophilic pustule:毛包、脂腺への好酸球の目立つ炎症性細胞浸潤。例:好酸球性膿疱性毛包炎(太藤病)、虫刺症、ウェルズWells症候群。
【こう】
抗酸菌acid fast bacteria:チール・ネールゼン染色で抗酸菌は赤色の桿菌として染色される。オーラミンを使用する蛍光法では黄緑色の蛍光を発する。例:結核、非定型抗酸菌症。
【こう】
抗酸菌染色acid fast bacteria stain:チール・ネールゼン染色とオーラミンを使う蛍光法がある。
【こう】
好酸性小体eosinophilic body → シバット小体
【こう】
口唇状表皮被覆(ひふく)lip-like extension:ドイツ語でLippenbildungと呼ぶ。ケラトアカントーマで観察される口唇状表皮被覆は左右対称で整った形態の正常表皮が腫瘍を被うように延びる。
【こう】
口唇腺labial gland:シェーグレン症候群では唾液腺にリンパ球、形質細胞の浸潤がある。
【こう】
光線性弾性線維症solar elastosis:日光裸露部に生じる真皮の変性。硬い線維状ないしは顆粒状物質に置き換わる。好塩基性に染色され弾性線維染色であるエラスチカ・ヴァン・ギーソン染色で陽性となる。被覆表皮に日光角化症、基底細胞上皮腫を発見することがある。同義語:日光性弾性線維症。
【こう】
高速原子間力顕微鏡:生きた試料を、しかも蛋白質分子を映像として観察できる。
【こう】
【こか】
個角化individual cell keratinization → 異常角化細胞
【こく】
黒子様(こくしよう)変化lentiginous hyperplasia:表皮突起の延長があり、その突起の部分にメラニン色素の増加がある。メラノサイトは増加していることが多い。例:色素性母斑の被覆表皮の変化。
【こご】
コゴイ海綿状膿疱Kogoj’s spongiform pustule:角層下ないしは顆粒層での多房性膿疱で、無菌性膿疱。浸潤した多核白血球のため角化細胞が伸展して網状にみえるため海綿状膿疱という。例:膿疱性乾癬、真菌感染症、薬疹。
【こさ】
個細胞壊死 → シバット小体
【こさ】
個細胞角化individual cell keratinization → 異常角化細胞
【こつ】
骨化症ossification:既存の組織、結合組織の変性あるいは腫瘍の線維性結合織に骨、軟骨が形成されることがある。ナンタNanta母斑は色素性母斑に骨形成を伴う例を指すが、母斑細胞の胞巣とは離れた深部に骨形成が観察されていることが多い。例:骨外性粘液型軟骨肉腫。毛母腫。同義語:皮膚骨形成osteosis cutis。骨化生。関連語:軟骨化生、軟骨形成。石灰化。
【こっ】
コッサ染色von Kossa stain → フォン・コッサ染色
【こて】
固定fixation:試料すなわち切除された皮膚組織はホルマリンに固定され、診断に必要な部分を切り出し、石灰、骨を含む場合は脱灰し、アルコール脱水、パラフィン浸透、パラフィン包埋を経て、ブロックとして保存される。
【こべ】
個別メラノサイトの増殖 → パジェトイド・メラノサイト
【こら】
コラーゲンcollagen → 膠原線維
【ころ】
コロイドcolloid:光顕では無構造・均質で形態を認識できないほどの細かな物質をコロイドないしはヒアリンという。様々の物質がコロイドとして観察される。同義語:膠様物質。類義語:ヒアリン。
【ころ】
コロイド小体colloid body → シバット小体
【ころ】
コロイド鉄染色colloidal iron stain:染色法の一つ。酸性ムコ多糖(ムチン)は青く染まる。
【こん】
コンゴ赤染色alkaline Congo red stain → アミロイド