【さい】

細管状構造体tubuloreticular structure:電顕像。全身性エリテマトーデスなどの膠原病患者の血管内皮細胞に高頻度に出現する構造。

【さい】

細菌bacteria:検出にはグラム染色を用いる。グラム陽性菌は青紫色に染色される。グラム陰性菌は赤染する。

【さい】

細静脈venule:炎症反応は毛細血管から連続した細静脈を場として生じる。リンパ球、多核白血球、組織球、フィブリンなどが出現する。

【さい】

細線維凝集dense body → 暗調小体

【さい】

細線維変性filamentous degeneration:電顕像。角化細胞の変性像の一つ。シバット小体の形成される過程で観察される。核は消失し、胞体は線維塊に置き換わり細胞膜は消失する。線維はロープ状で一本一本がはっきり見える。変化が進むとコロイド状となりコロイド小体という。さらにアミロイドへと変化する像も観察される。

【さい】

サイトイド小体cytoid body → シバット小体

【さい】

細胞間橋intercellular bridge → デスモソーム

【さい】

細胞間浮腫intercellular edema → 海綿状態

【さい】

細胞骨格cytoskeleton:電顕像。細胞の胞体内に分布する形態維持に関与する線維構造。微小管microtubules、中間径フィラメントマイクロフィラメントなどを区別する。

【さい】

細胞小器官cell organelles:電顕像。細胞内に分布する構造物のうち、ミトコンドリア、ゴルジ装置、中心体、小胞体、リボソーム、ライソソーム、細胞骨格などの永続的に特定の機能を担う小器官をよぶ。メラノソーム、バーベック顆粒などは細胞小器官の特殊なもので、その細胞の機能に役立つ構造物である。このことから、腫瘍細胞の分化の判断に役立ち、腫瘍診断に重要な意味がある。すなわち細胞の同定は細胞小器官の性質から決定する。

【さい】

細胞内管腔intracytoplasmic lumen:電顕像。胎生期のエクリン汗腺芽に観察されると同様の細胞内管腔が汗腺腫瘍に出現する。ただし、エクリン汗腺にだけ存在する所見ではない。例:エクリン汗孔腫、エクリン汗孔癌。転移性腺癌。同義語:胞体内管腔。関連語:管腔。対比語:細胞間管腔。

【さい】

細胞内浮腫intracellular edema → 空胞変性

【さい】

細網線維reticulum fiber → 膠原線維

【さく】

錯角化(さくかっか)parakeratosis → 不全角化

【さく】

錯角化性円柱cornoid lamella:汗孔角化症porokeratosisの角化は角栓に似た形態で中に核の遺残があるため錯角化性円柱ないしはコーノイド・ラメラとよばれる。この部では顆粒細胞層が欠如する。毛包、汗孔に一致することが多いが必ずしも一致しない。

【さく】

柵状(さくじょう)構造palisading、palisading arrangement:細胞の細長い核が平行ないしは柵状に配列する様。例:基底細胞上皮腫。同義語:柵状配列。関連語:ベロケイ小体、柵状肉芽腫。

【さく】

索状(さくじょう)増殖Indian filing、Indians in a file、trabecular:膠原線維間を腫瘍細胞が一列ないしは細い紐状ないしは索状に増殖する様。例:悪性リンパ腫、メルケル細胞癌trabecular carcinoma、胃癌や乳癌の転移癌、基底細胞上皮腫の特殊型morphea-like BCE、fibroepithelioma。

【さく】

柵状肉芽腫palisading granuloma:膠原線維の変性を中心に、その周囲を類上皮細胞が放射状に取り巻く。とくに類上皮細胞の核の長軸が肉芽腫の中心に向かって柵状に並ぶ様。例:環状肉芽腫、リウマチ結節。

【さく】

錯綜(さくそう):紡錘形細胞の流れをつくる増殖で、並列にあるいは交錯しながら複雑な走行を示す様を形容する表現。診断的な意味は少ないが所見を記載するには便利な用語。例:線維肉腫、平滑筋腫、カポジ-肉腫、悪性黒色腫。対比語:花むしろ状

【さて】

サテライト・セル・ネクローシスsatellite cell necrosis:移植片対宿主病に出現する所見。変性した表皮角化細胞(mummy cell)をリンパ球が取り囲む所見。関連語:シバット小体

【さり】

砂粒(さりゅう)小体psammoma body:組織内で細胞などの変性物に同心円状に石灰化したもの。例:腺癌。髄膜腫。

【さる】

サルファー顆粒sulfur granule:膿瘍内の顆粒状不定形物質。例:放線菌症。

【さる】

サルコイド結節naked tubercle、naked epithelioid cell granuloma:境界鮮明な一定のサイズの類上皮細胞肉芽腫で、中心壊死巣を伴わないことが多い。リンパ球浸潤は少ない。例:サルコイドーシス。

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【じあ】

ジアスターゼ(アミラーゼ) → ピーエーエス(PAS)染色

【しき】

色素減少hypopigmentation、hypomelanosis:メラニン色素の減少ないしは消失をいう。HE染色標本での判断は困難なことが多い。フォンタナ・マッソン染色などでメラニン色素の分布、量を確認する。類義語:色素脱失。

【しき】

色素細胞pigment cell → メラノサイト

【しき】

色素失調(しきそしっちょう)incontinentia of pigment、pigmentary incontinence:概念。基底細胞層の破壊を伴う苔癬様反応を示す疾患で変性した角化細胞から放出されたメラニン色素が真皮内に滴落し、撒布され、マクロファージに貪食されることを指す。類似の所見が、色素性母斑、悪性黒色腫で観察されるが、多数のメラノファージが観察されても角化細胞の変性を伴わないので色素失調とは言わない。同義語:組織学的色素失調。

【しき】

色素増加hyperpigmentation、hypermelanosis:メラニン色素が角化細胞に多量に含まれる状態および真皮内にメラニン色素が増加した状態。類義語:色素沈着。例:日光暴露部、炎症後色素沈着、雀卵斑、扁平母斑。

【しき】

色素脱失depigmentation → 色素減少

【しき】

色素沈着pigmentation → 色素増加

【しき】

色素伝達傷害pigment blockade:腫瘍細胞がメラニン色素を受け入れないため、メラノサイトの突起の中にメラニン色素が充満した状態。例:脂漏性角化症、エクリン汗孔腫、基底細胞上皮腫。類義語:色素伝達傷害性メラノサイトpigment blockade melanocyte。

【しし】

脂質lipid:脂質の証明法にはズダンIII染色、オイルレッドO法などがある。脂肪は橙黄色ないしは赤色となる。通常のHE染色標本作成法では脱水過程で脂質が溶出するため、凍結切片を作成して、すなわち脱水過程を経ることなく染色する。

【しじ】

篩状(しじょう)構造cribriform pattern → 腺様

 

【しせ】

脂腺sebaceous gland:核は中心にあり脂肪滴によって星形に圧排されている。全分泌により毛孔に排出される。導管部は角化する。角質細胞には波打つような弯曲がある。

【じで】

ジデロファージsiderosome → ヘモジデリン

【しば】

シバット小体Civatte body:表皮角化細胞の細線維変性に陥ったもの。表皮内で変性した角化細胞は大きさが10μm程度の塊状物となる。HE染色標本では好酸性に染色される。角層から排泄されるか、基底膜を破って真皮内に滴落する。電顕では、核は濃縮・消失し、細胞膜も消失する。メラニン色素あるいは細胞残渣を含む。胞体内が線維成分で占められるため細線維変性という。マクロファージに貪食され、代謝される。例:多形滲出性紅斑、扁平苔癬、アミロイド苔癬。類義語:好酸性小体、コロイド小体、個細胞壊死、エリテマトーデスにおけるサイトイド小体、GVHDにおけるサテライト・セル・ネクローシスの中心にあるmummy cell、スピッツ母斑に出現するカミノ小体。

【しぼ】

脂肪芽細胞lipoblast:脂肪細胞に分化する能力のある細胞で腫瘍では脂肪肉腫の診断に重要である。

【しぼ】

脂肪細胞adipocyte、fat cell:中性脂肪を貯える大型細胞で皮下脂肪組織を構成する。

【しぼ】

脂肪織炎panniculitis:脂肪組織に生じる炎症に中隔性脂肪織炎と小葉性脂肪織炎とを区別する。脂肪組織の崩壊がおこると脂肪肉芽腫を形成する。

【しぼ】

脂肪染色 → 脂質

【しぼ】

脂肪滴lipid droplet:脱水過程で使用する有機溶媒によって脂肪滴は、形状、電子密度が変わるため固定時には注意を要する。(1)脂腺細胞では脂肪滴が充満し核は中心にあり圧迫され星形となり濃縮する。(2)脂肪細胞では大型で、通常は1個の脂肪滴が胞体内を占拠し、核を辺縁に圧排する像がある。(3)電顕で観察することのできる脂肪滴は角化細胞、マクロファージ、線維芽細胞などいろいろの細胞に出現するため脂腺細胞ないし脂肪細胞と言うためには脂肪滴の形成過程を証明することが必要である。

【しぼ】

脂肪肉芽腫lipogranuloma:脂肪組織に生じる炎症では脂肪組織の崩壊がおこり、線維芽細胞、血管に加え組織球が多数出現し、脂肪肉芽腫を形成する。脂肪を貪食した泡沫細胞が空隙を包むように配列したミーシャー放射状小結節pseudo-microcystが形成される。関連語:脂肪織炎。

【しゃ】

シャウマン小体Schaumann body:サルコイドーシスの診断に役立つ所見。多核巨細胞内に観察される層状の石灰性封入体。

【しゃ】

車軸状(しゃじくじょう)cartwheel pattern:細胞、線維の走行が放射状を示す。例:皮膚線維腫、隆起性皮膚線維肉腫。類義語:花むしろ状、花むしろ配列。

【じゅ】

充実性胞巣solid nest:腫瘍を構成する細胞が密集して隙間のない塊を作る様。充実性胞巣の中心が渦巻き状に角化すると癌真珠という。

【しゅ】

集中arborization:表皮突起の延長が病巣の中心に向かう様を形容する。別の表現をすると、全体像が扇とその要に集中する線内にある。左右対称性の腫瘍で良性腫瘍であることを示す。例:尋常性疣贅、脂漏性角化症、ケラトアカントーマ。

【しゅ】

腫瘍tumor:皮膚を構成するすべての細胞・組織に類似した形態をもつ先天奇形(母斑)ないしは腫瘍がある。皮膚腫瘍は本来存在する部位・組織から周辺に向かって自律的に増殖・浸潤する。正常皮膚の細胞ないしは組織の性質を保持し、調和のとれた増殖をする良性腫瘍と、周囲組織を破壊しながら浸潤・増殖する悪性腫瘍とを区別する。病名は腫瘍細胞の分化方向と、良性腫瘍か、悪性腫瘍かを区別して命名する。腫瘍細胞の分化方向は腫瘍組織と正常皮膚組織との類似性、胎生期にとる発生過程の組織像との相似性から判断する。良性か悪性かの判断はむずかしいが、一般的には、良性腫瘍は周囲の組織から連続性に病変が形成され、正常組織ないしは胎生期の発生過程の組織に類似する。癌は個別細胞の自律性増殖を特徴とするため、相称性が崩れ、組織破壊を伴う。

【しゅ】

腫瘤(しゅりゅう):発疹名。腫瘤の腫はにくづきを重ねる意味で周囲に迫り出して増殖する腫瘍性病変を指す。病理所見を記載するときには使用しない。対比語:結節。

【しゅ】

シュワン細胞Schwann cell:神経軸索をとりまく神経鞘をつくる細胞。

【しょ】

漿液(しょうえき)細胞serous cell → エクリン汗腺、澄明細胞

【しょ】

小円形細胞腫瘍small round cell tumor:小円形細胞の増殖を特徴とする腫瘍。全体像は炎症性細胞浸潤に似る。小円形細胞そのものが腫瘍細胞である場合や炎症性細胞に混じて癌細胞が浸潤している場合がある。例:リンパ腫、横紋筋肉腫。対比語:炎症性細胞浸潤。

【しょ】

硝子化(しょうしか) → ヒアリン化

【しょ】

硝子膜(しょうしまく)glassy membrane:毛包を包む結合組織。基底板と膠原線維から構成される。

【じょ】

上皮襟(じょうひえり)epithelial collarette → 表皮襟

【じょ】

上皮腫epithelioma:上皮性腫瘍の総称。一部に分化方向を示唆する所見のある脂肪上皮腫などの良性腫瘍と、癌とは言えないが、器官形成を失い局所浸潤性があるという意味では悪性腫瘍である基底細胞上皮腫とがある。個別細胞の状態でも増殖しうる癌とは異なり、上皮腫を構成する細胞は発生母地となった器官に特有の細胞群で構成される。

【しょ】

小葉性脂肪織炎lobular panniculitis:脂肪織炎の一つ。中隔結合織での炎症性細胞浸潤よりも脂肪細胞の変性・壊死に特徴のある炎症性病変。リンパ球、好中球の他、泡沫細胞、類上皮細胞、巨細胞が出現する。例:バザン硬結性紅斑、ウェーバー・クリスチャン病、新生児皮下脂肪萎縮症、悪性リンパ腫、膵性脂肪織炎、深在性エリテマトーデス。対比語:中隔性脂肪織炎。

【しん】

真菌fungus:注意深く観察するとHE染色標本でも菌要素を確認できる。証明にはPAS染色で真菌壁の多糖類が赤紫色に染色され、アミラーゼ(ジアスターゼ)消化試験抵抗性を示すことを証明する。メセナミン銀を用いるグロコット染色で真菌は黒色に染色される。関連語:菌要素

【しん】

神経染色 → ボディアン染色

【しん】

神経様変化neurotization:色素性母斑の真皮内胞巣はときに線維成分に富み、渦巻き状のマイスナー小体に似た形態を示す。母斑細胞の神経様変化という。

【しん】

滲出性紅斑exsudative erythema、exudative erythema:表皮・真皮境界部から乳頭下層までを舞台とした急性炎症性病変。リンパ球を主体とするが好中球も出現する。表皮では好酸性小体の出現から表皮壊死に至るまでの変化が、表皮・真皮境界部では液状変性から水疱形成が、真皮乳頭に強い変化が生ずれば浮腫、表皮下水疱の形成に至る。例:多形滲出性紅斑。

【しん】

浸潤infiltration、invasion:炎症性細胞が通常は存在しない部位に入り込むこと、あるいは表皮に発生した腫瘍が真皮へと病変を広げる様、ないしは真皮に発生した腫瘍が辺縁に拡大する様。連続性にあるいは飛び石状に辺縁へ浸潤・拡大する場合も含む。例:炎症性細胞浸潤、癌浸潤。関連語:浸潤癌invasive carcinoma。

【しん】

針状needle-like:痛風結節に沈着する尿酸はアルコール固定で針状結晶として観察される。偏光顕微鏡下では複屈折し光輝性を示す。新生児皮下脂肪壊死症では脂肪細胞内に脂肪の結晶を示唆する針状の空隙ができる。

【しん】

真皮dermis:乳頭層、乳頭下層、網状層の3層から構成される。線維成分が大部分を占め、膠原線維、弾性線維、血管、神経などが分布する。

【しん】

真皮乳頭層dermal papillary layer, papillary dermis、stratum papillare:表皮真皮境界部の真皮側にある結合織で乳頭状に見える。同義語:乳頭層。

【しん】

真皮メラノサイトdermal melanocytes:真皮内にある樹状ないしは紡錘形をした長い突起をもつ異所性メラノサイト。母斑細胞ではあるが色素性母斑にみる類円形をした細胞と区別する意味で真皮メラノサイトとよぶ。隆起性皮膚線維肉腫の特殊型であるベドナー腫瘍では腫瘍細胞に混じって真皮メラノサイトが混在する。黒色腫細胞は真皮メラノサイトとはよばない。例:青色母斑、太田母斑。関連語:母斑細胞、黒色腫細胞。対比語:メラノファージ。

【しん】

真皮網状層dermal reticular layer、reticular dermis、stratum reticulare:真皮は乳頭層、乳頭下層、網状層の3層からなり、もっとも広い範囲を占めるのが、網状層。膠原線維、弾性線維、血管、神経などから構成される線維成分が大部分を占める。同義語:網状層。

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【すい】

水疱bulla:角層下水疱、表皮内水疱(海綿状水疱、棘融解性水疱)、ウイルス性水疱、表皮下水疱を区別する。

【すぎ】

杉綾(すぎあや)模様herring-bone pattern → ヘリングボーン・パターン

【ずだ】

ズダンIII染色Sudan III stain → 脂質

【すり】

すりガラス様ground-glass appearance:(1)ケラトアカントーマでは大きな胞体をもつ腫瘍細胞に特徴があり、胞体全体が均質で好酸性に染色される。(2)細網組織球症でも大型のすりガラス様の胞体を特徴とするが、こちらは組織球である。

【すり】

スリットslit:浸潤細胞の間に細いすき間、間隙が観察されることがある。未熟な血管腔の形成を示唆する所見でカポジ肉腫、血管肉腫で観察されることがある。上皮組織にできる間隙は棘融解に基づくことがあり偽腺性構造あるいはラクナという。関連語:間隙、偽腺性構造ラクナ

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【せい】

正角化orthokeratosis → 角化

【せい】

生検biopsy:診断、治療の確認のため、病変の一部ないし全てを切除し病理診断を得る。炎症性疾患ではパンチを用いて一部を切除する。腫瘍では切除生検を行う。大きな病変では部分切除を行う。その他、広がりを確認するための生検、転移の有無を確認するためのリンパ節生検などを施行する。

【せい】

正常構造:概念。腫瘍の診断、先天異常の診断には正常構造との対比から、本来あるべき構造の欠損、あるいは形態異常などを調べ診断の契機とする。正常構造は特定の切片に必要な全ての所見を観察できるものではないため、多くの経験を経てイメージを構築する。

【せい】

星芒体(せいぼうたい)asteroid body:(1)サルコイドーシスでは星芒状の封入体のある巨細胞を指す。(2)スポロトリコーシスでは膿瘍中の真菌胞子から好酸性放射状構造が伸びて星芒状の形態が観察される。

【せざ】

セザリー細胞Sezary’s cell:セザリー症候群患者の末梢血に出現する脳回転状の核を有する腫瘍細胞。

【せっ】

石灰calcium → 石灰沈着

 

【せっ】

石灰沈着calcinosis:病的にカルシウム塩が組織に沈着するとHE染色標本では好塩基性に染色される不定形塊状物質として観察される。周囲を包むように異物巨細胞が出現することが多い。腫瘍に出現する石灰化病変では骨、軟骨を形成することがある。フォン・コッサ染色で黒色に染色される。電顕では微細な線維状、膜状物質。同定にはX線微小分析を用いる。例:ケロイド、結節性筋膜炎などの線維性腫瘍では石灰沈着がある。毛母腫の石灰化、骨化は頻度が高い。皮膚混合腫瘍(軟骨様汗管腫)では骨、軟骨が出現する。マンソン幼裂頭条虫症の石灰小体、シャウマン小体での層状の石灰性封入体などは診断的な価値がある。同義語:カルシウム沈着。関連語:骨化症、骨形成、軟骨形成。石灰化、カルシウム塩。

【せっ】

赤血球貪食像(どんしょくぞう)hemophagocytosis:マイクロファージが赤血球を胞体内に含む像。赤血球に加え白血球や血小板なども貪食されることが多い。赤血球を貪食したお手玉様細胞bean-bag cellは細胞貪食組織球性脂肪織炎cytophagic histiocytic panniculitisで定型像をみることができる。

【せっ】

赤血球の漏出extravasation of red blood cells:血管から真皮の基質に赤血球を胞体内に含む像。血管炎を示唆する所見。生検時の出血と間違いやすい症例では漏出した個々の赤血球の膜がしっかりしているか溶血しているかを調べる。またマクロファージにヘモジデリンが取り込まれているかにも注目する。

【せつ】

切除生検excisional biopsy:生検方法の一つ。腫瘍性病変では可能であれば、腫瘍全体を一塊として切除し、全体像を確認できる。

【せっ】

接着装置junctional complex:角化細胞には角化細胞間の接着装置であるデスモソーム、角化細胞と間質との間のヘミデスモソーム(ハーフデスモソーム)がある。いずれも張原線維がループをつくり接着装置に集合する。角化細胞のデスモソーム間が弛むと棘融解をおこす。尋常性天疱瘡、家族性良性慢性天疱瘡(ヘイリー・ヘイリー病)で観察できる。他にタイト・ジャンクション、ギャップジャンクションがある。例:skin fragility syndromeではデスモソームの異常がある。類義語:細胞間橋。

【せっ】

切片section:パラフィン包埋ブロックは、ミクロトームで数μmほどの厚さに薄切し、伸展させ、ガラススライドに貼り付ける。つぎに脱パラフィン後、染色、アルコール脱水、キシレン透徹を経て封入される。できたものをプレパラート(標本)という

【せん】

線維化fibrosis:一方、硬化という場合は膠原線維が好酸性かつ均質にみえ、染色性の濃淡などの特徴のある場合に言及する用語で線維芽細胞の増加は伴わないことが多い。線維組織に置き換わることで、膠原線維の不規則な増加と線維芽細胞の増加がある。強皮症では皮下脂肪織の線維化、血管周囲へのリンパ球、形質細胞浸潤がある。皮膚附属器周囲の硬化は結節性硬化症、fibrous papule of the noseなどを考える。例:肥厚性瘢痕、異物肉芽腫。同義語:線維症。関連語:硬化、線維増生

【せん】

線維芽細胞fibroblast:結合組織の線維性成分、すなわち膠原線維、弾性線維などを分泌する細胞。核は紡錘形で細長い樹状の突起を特徴とする。

【せん】

線維芽細胞様fibroblast-like cell:紡錘形で線維芽細胞に類似の形態をとる細胞を一般に線維芽細胞様細胞という。悪性線維性組織球腫などの線維性腫瘍に出現する細胞のみならず有棘細胞癌の特殊型、悪性黒色腫の特殊型などが含まれる。類義語:紡錘形細胞。

【せん】

線維症fibrosis → 線維化

【せん】

線維性腫瘍fibrous tumor:概念。膠原線維間を紡錘形細胞ないしは類上皮細胞様細胞が束をつくり、流れを作りながら複雑に交錯する形態をとる腫瘍の総称。多くは間葉系腫瘍。線維増生のある紡錘形細胞型有棘細胞癌、線維形成性悪性黒色腫が鑑別として重要。類義語:間葉系腫瘍、軟部組織腫瘍。

【せん】

線維増生desmoplasia、desmoplastic:概念。腫瘍の間質での線維化を指す。膠原線維が腫瘍細胞よりも量的にはるかに目立つ状態。汗管腫、青色母斑、転移性皮膚癌などのように腫瘍細胞とは別に線維芽細胞、膠原線維の増生が目立って観察される場合に線維増生があるという。病名に線維増生を反映させた線維形成性悪性黒色腫desmoplastic malignant melanomaでは紡錘形細胞の本態は線維芽細胞に加え、悪性黒色腫の細胞そのものが紡錘形をしている。同義語:線維形成性。

【ぜん】

前癌状態precancerous lesion → 癌前駆症

【せん】

腺腔(せんくう)glandular lumen:腺細胞が腔に面して並ぶ分泌腺の構造。有棘細胞癌などにみる偽腺性構造とは区別する。CEAが陽性となることが多い。例:エクリン汗腺腫瘍での腺腔、アポクリン汗腺腫瘍での腺腔。対比語:偽腺性構造。

【せん】

腺様(せんよう)adenoid:基底細胞様の腫瘍細胞が2列に配列し、索状に、あるいは融合し、網目状に増殖する様。腺腔に似た構造をつくるが内腔には膠原線維などがあり、真の腺腔とは区別される。きれいな篩に似た構築があれば篩状構造という。例:腺様嚢胞癌。類義語:レース状、篩状。

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【そう】

走査型電子顕微鏡scanning electron microscope(SEM):立体構造を観察することのできる電子顕微鏡。

【そう】

相称(そうしょう)symmetry:概念。左右対称のことであるが、転じて良性腫瘍と悪性腫瘍との鑑別に使う。腫瘍細胞が真皮内で増殖する場合、良性腫瘍であれば、概して構築は左右対称ないしは相称であり、辺縁組織との関係も整っている。既存の毛包、汗管は一定の間隔をおいて残っている。一方、悪性腫瘍の胞巣は不規則な形態をとり、既存の組織を破壊し相称性を失う。

【そう】

層板状物質lamellar substance:電顕像。ファブリー病で沈着する顆粒状、層板状物質は糖脂質であり、血管内皮細胞、周皮細胞、汗腺分泌部などに沈着する。神崎病などの類縁疾患の報告がある。

【そく】

息肉症細胞mycosis cell:菌状息肉症で出現する核の切れ込みの深い大型異型リンパ球。関連語:セザリー細胞。

【そし】

組織学的色素失調incontinentia pigmenti histologica → 色素失調

【そし】

組織球histiocyte → マクロファージ

【そし】

組織球性肉芽腫histiocytic granuloma → 肉芽腫

【そだ】

粗大ケラトヒアリン顆粒clumped keratohyalin granule:疣贅ではケラトヒアリン顆粒が粗大となり、かつ異常分布を示す。胞体内、核内封入体の一因となる。例:ミルメシア。関連語:顆粒変性。

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